フリーになってから、「WordPressでお願いします」という案件をいくつかこなしてきたのですが、どう考えても結果から考えるとWordPressいらなかったよねっていうものが割とあったので、それを踏まえて一旦再考いただけるようなポイントをまとめて行こうかなと思います。
この記事の目次
よくある勘違い
WordPressならなんでもできるんでしょ?
正確には間違いでもない気がするのですが、この思い込みは本当に怖い。特にクライアントさんが思い込んでると制作側は怖い。
できますけど、そこにかかる労力が通常よりもすごいことになる可能性は否めないわけです。つまり、なんでもできるけどベストアンサーとは限らないのがWordPress。場合によってはLaravelとかの方が安くあがるかもしれません。制作側がオススメしない時は何かしら理由があるので、その理由を聞いてみて再考しましょう。
ECやりたいからWordPressでヨロシク。
いや、ECだけならほかのサービスを使いましょう。専門のCMSが沢山ありますし、そこに注力している分優れているところは沢山あります。
もちろんWooCommerceをはじめとして優秀なWordPressプラグインもありますが、ECだけをやるには動作するプログラムが大きくなりすぎな印象があります。ブログをやっていて、そこに後からくっつけたいとかならWooCommerceを利用するメリットは高めですが、今から始めるのに当たってということであれば、一旦全てのCMSを再検討しましょう。
あと、こういう感じでオーダーしてくる方の多くが忘れがちなのは、個人情報を扱うという点。制作担当はあくまでも制作担当です。インフラ担当ではないので、インフラやサーバー設定の関わるセキュリティ対策は基本的に無知だと思っておきましょう。個人情報を扱う以上さまざまなリスクが伴います。本当に自社(あるいは個人)で運用するのがベストなのか考えてみてください。
逆に制作側として依頼を受ける場合には、この辺りのリスクを考えて各種サービスではダメなのかということを提案する必要があると思います。それでもWordPress / WooCommerceが理想的であるという判断になるのであれば、十分に注意して作業を進めていきましょう。断るのもスキルです。
ログインがあるからWordPressだよね。
いやいやいや。Laravelだったら一瞬で作れちゃいますから。いや、ほかのものでもいいんだけども…。
会員が絡んだらWordPressっていうのはわからんでもないのですが、あくまでも元々は投稿者のログインのためのもの。カスタマイズの範疇によっては間違いなく作業量が多くなります。スクラッチで作った方が工数が下がることはあり得ます。ちゃんと制作側と運用側で相談して検討した上で選定しましょう。
おそらくの勘違いの元とは
たぶん、「サイトを立ち上げるまでが速い」ということが「どんなサイトでも立ち上げられる」にすりかえられている気がします。あくまでもブログサイトの立ち上げが速いというのが基本であって、それ以外の部分は制作する人の腕次第というのは忘れてはいけません。同じ内容でも人が変われば見積もりも変わるでしょう。WordPress界隈の皆さんでも、それぞれの得意分野がありますので、頼む相手も選びましょう。
あとは、WordPressに限らず、フレームワークやCMSを使うということは「制約のある中でやる」ということになります。使うプラグインが増えれば増える分、基本的には制約も増えていきます。その点を理解して「そもそもWordPressであるべきか」という問いに対して適切に応えられる製作者を選ぶのが吉です。(それだけ知識を広げているから、スキルも高いはず。)
とは言っても
WordPressは素晴らしいCMSの一つです。WooCommerceも素晴らしいECプラグインです。
ただ、使い方を間違えたり、身の丈に合わない状態で使うと大変なことになるんだよっていうことを覚えておく必要がありますね。WordPressできればオッケーみたいな制作側の風潮もダメだし、WordPressなら何でもできるみたいな認識も依頼側として良くないですね。
このあたりも含めてちゃんと説明できるプログラマー(あるいはコーダー)にお願いするべきだろうなと思います。