あるメンターの苦悩

TechAcademyでメンターをしています

この記事は個人的な意見に基づいて投稿されています

この記事は私の経験から投稿していますが、特定の団体・企業の意見を代表する物ではありません。また、全ての同業者に対して当てはまる物でも有りません。

長いことプログラミングを教えるという事をやってきて、いろいろな方に行き当たってきました。最近、大げさですが苦しむことも増えてきたので、それを折角なら纏めておくことで、受講する人の参考にもなるかなと思い、つらつらとココで書いていきます。

この記事の目次

まずはいままでのこと

そもそもどれくらい教えてきたか

実はかなり長いことやっています。会社員をやめた2011年からずっと講師業をやっているので、もう9年目です。時の流れは早いですね。当時とは違う言語を教えたりもしているわけですが、特に何かを大きく変えたりもしていません。スタンスは同じく、基本的には未経験の人を調べて解決出来る入り口まで連れて行くポジションを担っています。もっと高難易度のことを教えるのにふさわしい人は沢山いらっしゃいますからね。

よくやっていること

基本的に、そのまま本質をなぞるように説明して解る人って、本を買って勉強すればできる人なんだと思います。教えてもらわないといけない、あるいは教えてもらいたい人って言うのはたいていの場合そういうのが理解できない人ですし、私もそうなので、できるだけ普段の生活の中でイメージしやすい何かに置き換えたりしています。

よく使う例としては、変数が一軒家なのに対して配列(オブジェクト)はマンション・アパート・長屋のような物で、部屋番号で管理するのが配列、表札で管理するのが連想配列。とか、そんな感じです。

まぁ、細かいことを言い出すと違うよねっていう意見があるのは重々承知ですが、まぁ、そんなことよりも一気に配列が身近になった感じがするというところがポイントだと思っています。

教える相手について苦しむこと

なんで質問に答えないんだと怒る

先に結論を言うと、回答するための情報が不足しているからです。なので、質問に質問返しが起こります。ちなみにこのとき質問返しをしないことによって、状況や問題を悪化させる講師もいます。そして、それはそれで別の問題へ発展します。それも困る。

質問の仕方ってとても重要で、必要な情報は全て提示されなければ行けません。そうしないと問題を悪化させるから。私が必要だなと思っているポイントは以下の通り。

  • 今何をしている(=どこを進めている)のか【進捗報告】
  • 今何をしたいのか【理想型の確認】
  • 何を試したのか【努力した内容を共有・どこまで戻れば良いかを判断する材料】
  • 何がわからないのか【不明な点の明確化】
  • 作業しているファイルやディレクトリ【確認箇所の提示】

特にオンラインスクールって、「できた気にさせる」ということをやりやすい環境です。具体的に「○○に□□と書きましょう」って言えば解決したりすることが多いですからね。でも、それって、卒業した後どうにもならないんですよ。いつまでも聞かないとできない人になっちゃう。コレはキケンだと思っていて、最終的に独り立ちさせるためには、「解決過程」が重要だと思います。コレを体験させるためにもしつこく質問しながら、本人に「何が問題なのか」と言う事を理解させるようにしているというのがこの話です。

質問に上手く答えてもらえてないなと思ったら、上記のポイントを伝えられているかと言う事と、そもそも質問している部分が伝わっているかという点を確認してみましょう。タダの勘違いという事もあるので。

タメ口で聞くor講師を見下している言動

コレが意外と多くてびっくりします。「俺はお前の友達じゃない。」ってなります。

「○○でしょーか?」とかはそこまで気にしないのですが、「○○ってこと?」って来られると、内心「知るか!」ってなります。「書いてある通りにやったけど上手くいかないんだけど」って文面通り言われたら、ムカッとします。人ですから。正直、直接会ったこともない人にそんな口の利き方で許されると思っているのがおかしい。オンラインスクール以前にマナー講座でも受けてきてくれって思います。

別に敬えとは言いません。ただ、お互いを尊重した言動って言うのは、オンラインだからこそ気にしたいところです。

言われたことをやらない

言われたことを実行しない人も居たりします。「○○なことを確認してから課題提出してくださいね」って毎回言われている人とかですね。まぁ、たまに忘れることもありますよね、人なので。でも、毎回言われている人を見ると、流石になんとかしてくれと思います。時として「もしかして何かしらのディスアドバンテージがある…?」と思うこともあります。

言われたことは確実にやる…それができないと成長・スキルアップは難しいでしょう…。

講師を信用しない

「過去にこういう風にしたら上手くいかなかったから、あなたの提案している操作をしたくない」という形で断られることもありました。いろいろな経緯があるので何とも言い切れないのですが、講師としては問題の解決をしたいが故にお願いしている操作を断られると、「じゃ、好きにすれば?」という気持ちになります。

講師が信用されないという事は、何を教えても吸収してもらえないだろうなという諦めに入ってきます。オフラインのスクールであればまだしも、オンラインスクールでは、そこを打開するのがかなり難しい。個人的な担当受講生であれば、個別サポートの時間を取られていたりしますが、全員が自分の担当受講生というわけではありませんので、もう、どうしようも無いですね。ただ悲しい

パソコンの操作ができない

えっと…これは、オンラインスクール以前の問題なので、是非パソコン教室に通ってください…。オンラインスクールはパソコンの基本操作が問題なくこなせる人向けのスクールです…。

同じ立場の人に対して苦しむこと

スキルが十分でないのに教えている

まぁ、クリティカルなのはコレです。もちろん各社で採用前のテスト的なモノはあると思います。とはいえ、それが偶然クリアできてしまうレベル感の人も居ると言う事実があります。これは、テストが悪いわけでも無く、本当に運の問題だったりもします。空欄よりは何かしら書こうと思って解答欄を埋めた結果、大学などに合格する人だって実際に居るでしょう?

一緒に教えていると、アレコレ引っかかるところが出てきて、受講生ごとにトラブルの種類も違ったりして、対応するには深い知識が必要なシーンって実はかなり多いのですが、そのレベルのスキルが無い為にアレコレと問題を悪化させてしまうと言うパターン。引き継がれたときに「あぁぁぁ」ってなります。

まぁ、こういう人のせいで「講師を信用できない受講生」が生まれるんだと思います。

受講生への指示が雑

何かをしてもらうような指示を出すときに、必要な情報を出し切らずにザックリと指示する人も居たりします。そのまま引き継がれて「うまくいかない」とか言われたり「悪化した」みたいな話が来ると、コレは発狂モノ。ちゃんと指示してくれよ…ってなります。

ガイドラインに従わない

コレも面倒です。各社で「こういうときはこういう風に対応しようね」ってことを共有していると思うのですが、それに従わない人。それによって問題は大きくなります。

とりあえず、これで今はなんとかなるからそれでいいかっていう方向で対応されると後が困るんですよね。マジで。何の為のガイドラインだよ。たぶん、こういう人って、コーディングも汚いんだろうなって思います。

とまぁ、いろいろありますが…

文句を言い出しゃキリが無いというのは重々承知でして。でも、教えること自体は好きなんですよ。そうじゃ無かったら9年もやってないです。商業だけど教育職って面白いなと常に思っています。

特に私は教職を取りたかったけど、学部に無かったので取れなかったタイプという事もあり、こういう形で教育職に就けているのはありがたいです。

そして、今回敢えて記事にしたのは、ネタ切れでも何でもなく、ここ数年溜め込んだモノを生産的に吐き出せないかと思った上での投稿です。記事としては、率直に思った事を書いているのでとてもストレートな内容になっていますが、最初にも書いたとおり、コレを踏まえてオンラインスクールを使ってもらうと、上手く活用できるのでは?と思ったので、「そういう人も居るんですねー。私はそうならないようにしようーっと。」みたいに思って頂けたら良いなというところです。

私はある程度のラインを越えたら明確に本人に言いますが、商業教育の講師側ってその立場上なかなか受講生に言い出せない人が多いです。「お金を払っているんだから」等ということは通用しない話なので、人として上手くやり取りしながらスキルアップ出来るようにオンラインスクールを使って頂けたら良いなと思っています

この記事を書いた人

ささぴよ

TechAcademy公認エバンジェリスト
株式会社シノビアシ 取締役副社長 兼 CTO

中学時代に買ってもらったPerforma 550以降ずっとアップル製品漬けの人生。iPhoneは日本上陸時から愛用し続けている。
「誰かが作っているなら、自分でも作れるはず!」という安易な発想からHP制作などを始め、ネットの世界から情報を集めてひたすらいろんなことをやってみるようになった。

TechAcademyでは、Webデザイン / WordPress / UI/UX / Node.js / OSS活動 / デザイン実践ポートフォリオ / フリーランスサポートのコース を担当するメンター。

よく歌って踊っている。