【WordCamp Osaka 2019】 コミュニティとビジネス 【ひとつき遅れのアドベントカレンダー19日目】

TechAcademyでメンターをしています

WordCamp Osaka 2019 ひとつき遅れのアドベントカレンダー

この記事は「WordCamp Osaka 2019 ひとつき遅れのアドベントカレンダー」19日目の記事です。アドベントカレンダー自体はこちらから。

今回はコミュニティとビジネスに関して、タイムテーブルのことと共にお話して行こうと思います。私の理解の範囲で書いていくので、誤りがあったりしたらご指摘いただけたら幸いです。

この記事の目次

そもそもWordCampとはどういう立ち位置なのか

なかなか勘違いされやすいところだと思うのですが、WordCampはコミュニティ活動の延長であると考えます。WordPress MeetUp (旧: WordBench) の拡大版というイメージです。

最少催行人数が50人から開催できるというところからも伺い知れるのでは無いかと思います。日本のWordCampは大規模な物が多いですが、比較的小さめな規模でも実施出来るという点はあまり知られていないかもしれませんね。

コミュニティとしてお金を取るべきかどうかという点について

コミュニティとして開催するならば、フリーであるべきだという考え方も有るでしょう。それが極端だとしても、最低限のチケット代とするべきだという考え方も有って然るべきです。今回のWordCamp Osaka 2019でもその点については最初の頃から検討されていました。

ここではややこしい問題が発生します。いくつかそのポイントを挙げてみます。

  • スポンサーを入れないと、高額な立て替えが発生する可能性がある
  • スポンサーを入れないと、一人あたりのチケット代が7,000円などになる可能性がある (過去開催から試算)
  • 無料開催すると参加申込みだけをして来ない人が多くなる(歩留まりの発生)
  • 来る人が少なかった場合に、今後のWordCampについてスポンサーが付かなくなる可能性がある

パッと考えるだけでもこれくらいあります。これらを集約して、収入を確保しつつ次回に繋げて、能動的に来場してもらうと言う事を考えたとき。今回の私たちの答えは「少額のチケット代を支払って頂くことにより、歩留まりを防ぐ」という結論になりました。

お金が発生するから云々という見方について

「チケット代を取るのだから」という見方があるのは当然でしょう。ただ、その大前提としてそもそもの開催の目的やテーマが理解されているかという点が重要です。

今回のテーマは「With __」でした。我々はセッションのタイムテーブルを組む際にその点に重点を置いてタイムテーブルを組んでいきました。つまり、「今回のテーマとして皆さんに見て欲しいもの」というものをメインホールに置いたと言う事です。各セッション、混雑が予想される物も勿論有りましたが、それぞれ技術面のお話などは、(どちらかというと)普段のWordPress MeetUpでも聞きやすい物でしょう。今回だから聞ける話という物を是非聞いて欲しい。その想いでホールに組んだセッションがある訳です。

もっと聞きやすいようにして欲しいという意見もあろうかとは思いますが、この様な意図があったという事です。また今後のWordCampも同じような意思が見えるのでは無いかと思います。

コミュニティはコミュニティであってそれ自体がビジネスではない

コミュニティの活動は、そのもの自体がビジネスに寄っていっては行けないと思います。WordCampでは誰かが設けているという事はありません。ザックリ言えば余剰金も次回以降の(世界各地の)WordCampに向けて戻されます。ですので、イベントとしての収益として考えれば0となります。

また、お金を儲けるためのイベントとして開催されているわけでは無いという点と共に、特に日本では各地でWordPress MeetUpが開催されていますので、そことは違う内容に触れる機会としてWordCampを開催していると言ってもいいと思います。

ですので、誰かに媚びるためや売上を上げるため(収益を上げるため)に何かを決めるというのは違うと思います。この機会に、コミュニティに対してどういう情報があるべきかというのを考えて、イベントが実施されるべきでしょう。

それらを踏まえて、私たちが考えたベストアンサーが今回のWordCamp Osaka 2019だったわけです。

思うところがあるなら一緒にやれば良い

このあたりは端から見ているだけだと如何様にも意見できるところで、それはアンケートの中で意見として出てきたり、場合によっては(今回有ったという意味では無く)クレームになるシーンもあり得ます。

でも、「コミュニティ」なのです。思うところがあるのなら、やってみれば良いんです。一緒にやりましょう。WordCampに来たことがない人だって実行委員をやったりできます。(最初の私がそうでした。)

何がどうなっているのか、内側で意見することで変えることも可能かも知れません。勿論それはコミュニティの方針として却下される可能性も否めないわけですが、少なからずその意見は尊重されます。そう言う点についてWordPressコミュニティは非常に優秀です。

海外では「コミュニティへのただ乗り」というのを嫌う傾向があります。「言うだけ言って何もしない」ということや、「質問はありますか?」と聞いたときに反応せず後から質問してくると言う事についても厳しく言う人が居たりもします。日本でもその考え方は広まっていると思いますし、本来有るべき姿では無いかと私は考えます。みんなで作ることが前提なので、一緒にやればいいんです。その中で言いたいことを言ってみればいいのです。

さぁ、一緒にやりましょう。


と言う事で、今回もまたまとまったのかどうか微妙なところもありますが、コミュニティはみんなで作って行ければいいなと思っています。是非、みんなで次回のWordCampを作っていきましょう。

さて、WordCamp Osaka 2019 ひとつき遅れのアドベントカレンダー、明日はつぶさんの「スポンサーの皆様のご協力がなければ開催できませんでした」というお話みたいです。ではまた数日後にお会いしましょう。

この記事を書いた人

ささぴよ

TechAcademy公認エバンジェリスト
株式会社シノビアシ 取締役副社長 兼 CTO

中学時代に買ってもらったPerforma 550以降ずっとアップル製品漬けの人生。iPhoneは日本上陸時から愛用し続けている。
「誰かが作っているなら、自分でも作れるはず!」という安易な発想からHP制作などを始め、ネットの世界から情報を集めてひたすらいろんなことをやってみるようになった。

TechAcademyでは、Webデザイン / WordPress / UI/UX / Node.js / OSS活動 / デザイン実践ポートフォリオ / フリーランスサポートのコース を担当するメンター。

よく歌って踊っている。